FXはテクニカルかファンダメンタルズか

 テクニカルについては最初に説明しましたが、それではファンダメンタルズとはなんでしょう。大雑把な説明になりますが、マクロ経済学をもとに為替を分析する方法がファンダメンタルズ分析です。マクロ経済学というと、途端に難しい事のように感じられるかも知れませんが、FXでは取りあえず、その国は景気がいいのか悪いのか、そしてこれからの景気は良くなるのか、悪くなるのか、それが基本的に知りたい事です。
 例えばその国ごとに、政策金利というものがあります。金利が高ければ、基本的にその国は景気がいい事になります。行き過ぎるとインフレとなったり、日本でもバブル崩壊のように限界がやってきたりもしますが、基本的には金利の高い国ほど、通貨価値は上がっていきます。といってもこれは短期的な場合で、長期的にみれば物価があがり通貨そのものの価値が下がっているともいえます。ただ、基本的に円相場でいえば、今の日本はほとんどないに等しいような金利ですから、アメリカの景気が良くなれば、もしくは日本の景気が悪化すれば円高、逆に日本の景気が向上していけば円安になっていくことになります。金利だけに限らず、物価指数、雇用統計、失業者率、その国の景気を知る方法はさまざまです。そうした、国の力を分析していくことがファンダメンタルズ分析なのです。もちろん為替レートを動かす要因はファンダメンタルズ分析だけでは説明することはできず、超短期的な値動きは投資家の行動でも変化していきます。ですが、一国が動かすお金と、個人投資家、機関投資家が動かせるお金には差がありますから、投資家が長期的に経済をコントロールしていく事は出来ないのです。
 それでは、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析、どちらがFX取引では重要なのでしょう。これは値段を動かす要因から見れば、ファンダメンタルズ分析に軍配が上がりそうなものです。ですが実際にはファンダメンタルズのみ、テクニカルのみではなく、組み合わせて使う方が、効率が良いのは間違いありません。また、トレードを行う時間帯や時間足などを考慮して、テクニカルかファンダメンタルズどちらを重視するかも変わってきます。また、長期的な投資を行うか、デイトレやスキャルピングなどの短期投資を行うかでも、重要視すべき問題は変わってきます。
 いわゆる指標狙いという投資方法を聞いた事があるのではないでしょうか。政策金利などの重要な指標が発表された時に、大きくレートが動きます。その値動きの大きな時間を狙って投資をする方法です。指標は基本的にファンダメンタルズ分析でレートがどちらに動くか予想します。ですがファンダメンタルズ分析だけでも勝てるとは限らず、方向は同じでも収束が早く、乗り遅れてしまったり、逆に一時的な戻りで資金がもたなくなったりすることもあります。行き過ぎれば、レートはもとに戻ろうとしますし、決して一方通行の値動きは続かないからです。
 テクニカル分析を重視する人のなかには、指標時を避けてトレードする人も少なくありません。またファンダメンタルズ分析を得意とする人は、テクニカル的に多くの人が参入するような手堅い場面でも、自分が必要とする材料がなければ参入しません。どちらが有利かというよりは、どちらも得意・不得意な場面があるのです。FXを長く続けていくのであれば、やはりどちらもある程度は学んでおいた方が有利になります。

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