ポートフォリオを知る前に、まずポートフォリオを作る目的を考えてみましょう。ポートフォリオを理解する前に、まずシステムトレードというものを紹介します。システムトレードというのは、一定のルールにしたがって、自分の感情、裁量を交えずに取引を行うという方法です。そして主にテクニカル分析を基本にした方法を取るのが普通です。 　先ほども紹介した通り、テクニカル分析は数多く、いくつかのテクニカル分析を組み合わせてルールを作っていくというのが、システムトレードの基本になります。そうして出来たシステムには、必ず勝てる時と負ける時というのがあります。どんなに優秀なシステムでも、常勝はありえない、これがシステムトレードの絶対的な宿命なのです。ポートフォリオの基本は、あるAというシステムが負けやすい時に、勝ちやすいシステムBを一緒に稼動させるという事になります。例えばシステムAが、レートの上昇に強く下降に損を出しやすいのだとしたら、レートが下降している時に素早く利益を出せるシステムBを一緒に動かすとしましょう。そうすると、損失の幅がなめらかになり、一つのシステムの中にある、最大損失をカバーする事になります。もちろんシステムBにも苦手な場面は必ずありますから、システムAがそれをカバーできればいいですし、新たにシステムCを稼動させることも考えられます。
　つまり、ポートフォリオというのは、基本的に予想されるリスクの幅を狭めるためのものという事になります。
　このシステムは、違うテクニカルを使って新たなシステムを作るというのはもちろんのこと、同じルールで作られたシステムであっても通貨ペアを変更したり、計算式の任意期間を変更させたりするなどの方法でも新たなシステムは作れます。
　そしてもっと大きな目で見れば、FXに投資するお金と、銀行に預金しておくお金、満期型の保険や定期預金、株式投資やマンション投資などなど、他の投資方法にも自分の資産を振り分ける事もポートフォリオを作り上げることになります。投資をしている以上、必ず損失を出す時があります。その時にどうやってカバーするのか、それをあらかじめ考えて準備しておくことは、FXに限らず投資の世界ではとても重要なことなのです。