FXはシステムトレードか裁量取引か

 システムトレードが何なのかはすでにご存じの事だと思いますので、それでは裁量取引とは何なのかを説明してみましょう。裁量とは、自分の考えで判断し、決断し、処理するということです。裁量取引といっても、数式では明確にルール化できない「勘」や経験則を活かして勝ち続けている人のトレードスタイルも、広い意味ではシステムトレードを呼べるかもしれません。ですから裁量取引というのは、数式で表現したり、時間軸や値動き、テクニカルやファンダメンタルズ分析で、後付の説明ができたりするのかどうかが、その分かれ目だと私は考えています。
 投資の世界で大きく儲けている人というのは、裁量取引を行っている人です。投資の世界は、みんなと一緒に動いても大きな利益にはなりません。みんなが動く前に動いてこそ、大きな利益になるのです。その判断はなかなか身に着くものではありません。裁量取引で勝つためには、才能、もしくは運、それとも勘という、持って生まれた何かが結果を左右してしまいます。そうした何かに恵まれず、裁量取引を行っていれば、あっという間にFXという市場から退場せざるをえません。
 システムトレードは、その前提として負けトレードも計算のうちに入っています。ですから負けトレードも、トータルで勝ち越せば本当の意味では「負け」にはなりません。ですが確実に勝率が100%になることはなく、負け取引を行う必要があります。ですが、裁量取引に比べてシステムトレードは精神面で有利です。裁量取引とは異なり、自分があらかじめ決めたルールを順守すればそれでいいからです。勝てるシステムだと信じてさえいれば、ルールを守るというのはそれほど難しくはないのです。  ですが裁量取引ともなると、含み損がある時には持ち直すように期待したくなり、勘を鈍らせます。また含み益がある場合には、これ以上利益を減らしたくないという感情が邪魔をして、もっと利益を伸ばせる可能性をつんでしまいやすいのです。客観性を失いやすいとも言えますので、夢中になりやすい人は裁量の中に、自分に都合のいい条件を織り込みやすくなってしまいます。ポジションが大きくなれば、さらに恐怖心が判断を鈍らせます。システムトレードであれば、今の自分の行動に後付があることになり、我慢しやすくなります。
 裁量取引で、億プレーヤーというのは確かに個人投資家にとっては憧れです。ですが下手な裁量は身を滅ぼす近道。負けない、相場で長く生き残る近道は、ルールを守りやすいシステムトレードの方でしょう。

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